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Nob's Favourite Jazz Albums

私の好きなJAZZアルバムのご紹介です。


by bluenob
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George Wallington "The New York Scene"

b0160275_2192348.jpg白人バップ・ピアニスト、ジョージ・ウォーリントンがプレスティッジに残した名盤です。
このアルバム、私がお金を出して買った始めてのジャズ・アルバムでした。

中学生の頃は、レッド・ゼップリン、クリーム、ヤードバーズといったブリティッシュ・ハード・ロックばかり聴いていました。しかし、高校生になって吹奏楽部に入部して、アルト・サックスを吹き始めて、とたんにJAZZに目覚めてしまいました。

私が高校1年生だった1972年に、JAZZ廉価版シリーズというのが各レコード会社から発売されました。そのきっかけになったのが、ビクターから復刻したプレスティッジの1,100円シリーズです。

当時、新譜アルバムは2,200円ぐらいでしたから、このシリーズは半額です。この値段ですと、とぼしい高校生の小遣いでもなんとかなります。このシリーズ、全部で50枚ぐらいリリースされており、スイング・ジャーナルの評論を検討して何枚も購入し、それらはいまだに私の愛聴盤になっています。

いずれにせよ、最初に買った1枚は、このThe New York Sceneでした。おそらく編成を見て、アルト・サックスが入ったクインテットだったから興味を持ったのでしょう。A面もB面もそれこそ擦り切れるぐらいよく聴きました。しかし、このアルバムが気に入ったから、JAZZにのめりこんでいったわけで、この最初の1枚が気に入らなかったら、今頃JAZZは聞いてなかったかもしれません。^^;

このアルバムのリーダーは、ジョージ・ウォーリントンです。ウォーリントンは、1943年から1953年にかけて、Dizzy GillespieやCharlie Parkerなどと演奏をしていた長いキャリアを持つ白人バップ・ピアニストです。彼はバップ・チューンの名曲、"Lemon Drop"や "Godchild"の作曲者でもあります。
これという強い個性はないのですが、破綻のない端正なピアノを弾きます。残念ながら1960年に家業を継ぐために音楽から足を洗ってしまいました。(その後1980年代に復活しました。)

ウォーリントンがリーダーとなった最初のクインテットは、トランペットがドナルド・バード、アルト・サックスがジャッキー・マクリーン、ベースがポール・チェンバース、ドラムスがアート・テイラーと、どの一人をとっても、とっても「こゆーい」人ばかりでした。"Live At The Bohemia"でそのサウンドが聴けます。出てくる音は痛快なハード・バップです。

このアルバムでは、ウォーリントンの2番目のクインテットの演奏が聴けます。ドナルド・バードはそのままですが、アルト・サックスはフィル・ウッズに変わっています。また、ベースがテディ・コティック、ドラムスがニック・スタビュラスと、最初のクインテットに比べると知名度の低いメンバー構成になっています。しかし、出てくる音は負けていません。

第1曲目の"In Salah"、高校生の私がレコードに針を落とした瞬間、気に入ってしまったマイナーのかっこいいバップ・ナンバーです。
テーマの後にフィル・ウッズのソロが出てきますが、これが溌剌としていてかっこいい。^^この当時、フィル・ウッズの艶やかなアルトの音色におおいにあこがれたものです。バードもメロディアスなトランペット・ソロで続きます。次にリーダーのウォーリントンのソロになりますが、リーダーとは思えないほど控えめなソロです。^^まあ、フロントのバードとウッズの活きがが良すぎる感じなんですが。^^

ウォーリントンのピアノの良さが出るのは、3曲目の"Graduation Day"です。この演奏はバードとウッズ抜き、トリオです。ここでは控えめなウォーリントンのピアノが深い情感をたたえて淡々とソロを展開しています。

"Indian Summer"はバードとウッズのフロントによるテーマ演奏が洒落たアレンジになっており、快適なハード・バップ演奏になっています。こういう曲想だとフィル・ウッズは実に壺にはまったソロをとってくれます。前任者のマクリーンほど陰影は濃くなく、ちょっと明る過ぎる気もしないでもないですが、楽器を鳴らすテクニックははるかに上です。歌心は両者伯仲かな。^^

控えめながら懐の深いリーダーの下に活きの良い若手をフロントに配したこのアルバム、今考えると、最初に買うJAZZの1枚としてはおそろしく地味なアルバムだったと思いますが、何度聴いても味わい深いスルメ的なよさを持ったアルバムだと思います。

1957年3月1日録音
George Wallington (p)
Donald Byrd (tp)
Phil Woods (as)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)
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by bluenob | 2008-08-13 21:55 | Piano