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Art Blakey "Moanin'"
b0160275_23204040.jpgドラムスの巨人、アート・ブレイキーの代表作であり、昭和30年代中ごろの日本にファンキー・ジャズ・ブームを巻き起こした名盤です。アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズが1961年に初来日したころ、その人気はものすごいものだったそうです。ある批評家が、「蕎麦屋の出前でさえ、口笛でモーニンを吹いていた・・・」と書いておりました。

元来がへそ曲がりだったので、JAZZを聴きはじめた高校生の頃は、あえて聴きませんでした。スイング・ジャーナルなどで、「ファンキー・ジャズ・ブームの仕掛け人云々」の記述を見たのがよくなかったようです。
生意気盛りの年頃ですから、「ふん、そんなポピュラーなジャズなんて聴かないもん!」と、無視していたのですね。^^
そう言いながらチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエヴァーを聴いていたんですから、何を言ってるんだか、って感じです。^^;

高校を卒業して浪人中に、JAZZ喫茶に入り浸るようになりました。
あるとき、行きつけのお店に入ると、無茶苦茶にかっこいい曲が流れていました。思わずレコジャケを見に行ったら、このブレイキーの精悍な表情が目に入ったのです。
「これがモーニンか・・・。」ジャケットのデザインは雑誌などで知ってましたが、音を聴いたのは初めてでした。その曲は、ゴルソン・ハーモニーの響きが美しい"Are You Real"でした。しばらくジャケットを手にして聞き惚れていました。
曲は"Along Came Betty"となり、クールでスモーキーなテーマが流れてきます。「ジャズ・メッセンジャーズ、めっちゃんこかっこえーがや・・・。」いやー、コペルニクス的転回です。^^;無知と偏見は恐ろしい。^^;

このモーニン、今となってはハード・バップの名盤として愛聴しております。
タイトル曲の"Moanin'"のアーシーなフィーリング、そして私の耳を捉えた"Are You Real"と"Along Came Betty",そして有名な"Blues March", "Come Rain Or Come Shine"、どれも恐ろしくブルージーでノリが良いです。"The Drum Thunder Suit"はちょっとこけおどしっぽいですが。^^;
いずれにせよ、モダン・ジャズらしいアルバムを一枚あげよ、と言われたら、必ず上位に来るアルバムだと思います。

ところで、アート・ブレイキーは元々はピアニストだったそうです。
ある夜、クラブのボスがピアニストを連れてきて弾かせたら、ブレイキーよりも優れた演奏をしたため、アートに「ピアノはクビだ。今日からタイコでも叩いてな!」と拳銃をちらつかせながら脅したため、やむなくドラマーになった、という逸話があります。本当かどうかは知りませんが。^^

しかし、ピアノから始めたキャリアがあればこそ、音楽をより大きな視野でとらえることができるようになったのではないかと思ったりします。
ブレイキーは、その耳の確かさで、実に多くの若手有望ミュージシャンをスカウトしてきました。
ジャズメッセンジャーズで腕を磨いたあと、一流ミュージシャンになったプレイヤーは、数え切れません。

有名どころだと、Clifford Brown (tp), Lee Morgan (tp), Freddie Hubbard (tp), Chuck Mangione (tp), Wynton Marsalis (tp), Branford Marsalis (ts,as), Curtis Fuller (tb), Hank Mobley (ts), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons (p), Cedar Walton (p), Keith Jarrett (p), Doug Watkins (b), Reggie Workman (b)...

いやはや、すごいとしか言い様がありません。特にトランペッターを聞き分ける耳はものすごかったんだな、と思います。歴代スターが並んでますから。^^
この"Moanin'"でも、まだ二十歳そこそこだったLee Morganの溌剌としたトランペットを堪能できます。

1958年10月30日録音
Lee Morgan (tp)
Benny Golson (ts)
Bobby Timmons (p)
Jymie Merritt (b)
Art Blakey (ds)
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by bluenob | 2008-07-30 00:20 | Drums