Sonny Rollins "Plus Four"
2008年 07月 22日
ソニー・ロリンズが一番油の乗っていた1956年の作品です。
この年のロリンズはものすごいです。リーダー作だけでも、この"Sonny Rollins Plus Four"を3月22日に録音し、コルトレーンとのテナー・バトル"Tenor Madness"を5月24日に録音、そしてJAZZ史上最大の名盤のひとつ"Saxophone Colossus"を6月22日に録音、さらにチャーリー・パーカーへのメモリアル"Rollins Plays For Bird"が10月5日、アール・コールマンのボーカルの入った"Tour de Force"が12月7日という按配です。
さらにこの年の前半は、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのメンバーとしても数々の名盤をものにしており、いかにこの1956年という年がロリンズにとって充実していたかがわかります。
ちなみに、この年は私が生まれた年でもあります。われながら良い年にうまれたもんだと思います。^^;
さて、この"Sonny Rollins Plus Four"ですが、この年に吹き込まれたロリンズのアルバムの中で、私が一番好きなアルバムです。
もちろんサキソフォン・コロッサスの素晴らしさは言うまでも無いのですが、プラス・フォー全体に流れるペーソスに満ちたフィーリングがたまらなくいとおしいのです。
このアルバムは、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのメンバーで吹込んだもので、レーベルがプレスティッジですので、リーダーはロリンズ名義のものになっています。
第1曲目の"Valse Hot"、聴くたびにいつも「JAZZを聴いていて良かった!」という気分にさせられる名演です。
4ビートのJAZZではなく、ミディアムテンポのワルツなんですが、遠い昔に聴いたような懐かしさを覚えるロリンズの名曲です。美しくもセンチメンタルなコード進行に基づいてソロが展開されますが、ロリンズもブラウニーも素晴らしい歌いっぷりです。
さらに、リッチー・パウエルのソロ、これがもう、涙ぐましく素晴らしいです。お兄さんのバド・パウエルに比べたら指も動かなければアイデアも凡庸なんですが、ブルージーなフィーリングと素晴らしい歌心に感動してしまいます。
"Count Your Blessings"も短い曲ですが、ロリンズの浪々と歌うテナーのバックでリッチー・パウエルの弾くピアノが実に良い味を出しています。
他の曲でも、ロリンズの暖かくも豪快なテナーとブラウニーの歌心たっぷりのトランペット、マックス・ローチのキレの良いドラムスををたっぷりと味わうことができます。
なお、この録音の約3ヵ月後の6月26日、クリフォード・ブラウン、そしてリッチー・パウエルは交通事故で帰らぬ人となってしまいます。ロリンズにとっては大ショックだったに違いないでしょう。6月22日にサキ・コロが吹き込まれていますが、もし録音が1週間遅れていたら、あの天下の名盤は生まれていなかったのではないでしょうか。
このアルバムがペーソスにあふれているように聴こえるのは、この悲劇が私の頭にあるからも知れません。
1956年3月22日録音
Sonny Rollins (ts)
Clifford Brown (tp)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)
Max Roach (ds)
この年のロリンズはものすごいです。リーダー作だけでも、この"Sonny Rollins Plus Four"を3月22日に録音し、コルトレーンとのテナー・バトル"Tenor Madness"を5月24日に録音、そしてJAZZ史上最大の名盤のひとつ"Saxophone Colossus"を6月22日に録音、さらにチャーリー・パーカーへのメモリアル"Rollins Plays For Bird"が10月5日、アール・コールマンのボーカルの入った"Tour de Force"が12月7日という按配です。
さらにこの年の前半は、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのメンバーとしても数々の名盤をものにしており、いかにこの1956年という年がロリンズにとって充実していたかがわかります。
ちなみに、この年は私が生まれた年でもあります。われながら良い年にうまれたもんだと思います。^^;
さて、この"Sonny Rollins Plus Four"ですが、この年に吹き込まれたロリンズのアルバムの中で、私が一番好きなアルバムです。
もちろんサキソフォン・コロッサスの素晴らしさは言うまでも無いのですが、プラス・フォー全体に流れるペーソスに満ちたフィーリングがたまらなくいとおしいのです。
このアルバムは、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのメンバーで吹込んだもので、レーベルがプレスティッジですので、リーダーはロリンズ名義のものになっています。
第1曲目の"Valse Hot"、聴くたびにいつも「JAZZを聴いていて良かった!」という気分にさせられる名演です。
4ビートのJAZZではなく、ミディアムテンポのワルツなんですが、遠い昔に聴いたような懐かしさを覚えるロリンズの名曲です。美しくもセンチメンタルなコード進行に基づいてソロが展開されますが、ロリンズもブラウニーも素晴らしい歌いっぷりです。
さらに、リッチー・パウエルのソロ、これがもう、涙ぐましく素晴らしいです。お兄さんのバド・パウエルに比べたら指も動かなければアイデアも凡庸なんですが、ブルージーなフィーリングと素晴らしい歌心に感動してしまいます。
"Count Your Blessings"も短い曲ですが、ロリンズの浪々と歌うテナーのバックでリッチー・パウエルの弾くピアノが実に良い味を出しています。
他の曲でも、ロリンズの暖かくも豪快なテナーとブラウニーの歌心たっぷりのトランペット、マックス・ローチのキレの良いドラムスををたっぷりと味わうことができます。
なお、この録音の約3ヵ月後の6月26日、クリフォード・ブラウン、そしてリッチー・パウエルは交通事故で帰らぬ人となってしまいます。ロリンズにとっては大ショックだったに違いないでしょう。6月22日にサキ・コロが吹き込まれていますが、もし録音が1週間遅れていたら、あの天下の名盤は生まれていなかったのではないでしょうか。
このアルバムがペーソスにあふれているように聴こえるのは、この悲劇が私の頭にあるからも知れません。
1956年3月22日録音
Sonny Rollins (ts)
Clifford Brown (tp)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)
Max Roach (ds)
by bluenob
| 2008-07-22 22:48
| Tenor Sax