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Jackie McLean "Jackie McLean Quintet"
b0160275_20383744.jpgアルト・サックスのハード・バッパー、Jackie McLeanの初リーダー作品です。
通称「猫のマクリーン」とか「猫リーン」と呼ばれるアルバムで、ジャケットに猫というかふくろうというか、とてもグルーヴィな動物が描かれています。内容もとてもグルーヴィです。^^

アルト・サックスの神様、チャーリー・パーカーにあこがれてアルト・サックスを始めたジャッキー・マクリーン、早熟の天才で、1951年、19歳の時に、Miles Davisの"Dig"への参加でレコーディング・デビューを果たしました。(一説によれば、16歳のときにバリトン・サックスで初吹き込みをした、という記述もあるようです。)
チャーリー・パーカーもマクリーンをことのほか可愛がっていたようで、この"Dig"の録音の時には、スタジオまで付き添ってきていたらしいです。このデビュー版でのマクリーン、突き刺さるように鋭いトーンのアドリブを展開しており、チャーリー・パーカーの秘蔵っ子ぶりがよくわかります。

1955年3月12日にチャーリー・パーカーが亡くなりました。マクリーンはその直前にパーカーにアルト・サックスを貸したらしいのですが、なんたることかパーカーはそのアルトを質入してしまいました。頭に来たマクリーンは口もきかずにパーカーと別れたのですが、そのすぐ後に「パーカーが死んだ」というニュースが伝えられ、マクリーンは号泣したそうです。

このアルバムはそれから半年ちょっとたったときの録音です。初リーダー・アルバムですが、完成度の高い素晴らしいアルバムです。
最終曲の"Lover Man"はチャーリー・パーカーの名演で有名ですが、ここでのジャッキー・マクリーン、切々と恩師をなくした悲しみを歌い上げています。後年のLeft Aloneでのバラード演奏に比べると、もろにパーカーの影響丸出しでもっと音数が多いのですが、ブルージーな雰囲気と歌心の素晴らしさは天性のものがあります。
またピアノもLeft Alone同様マル・ウォルドロンで、マクリーンのパーカーに対する気持ちを汲んで素晴らしいバッキングぶりです。この二人のバラード演奏における相性は素晴らしいと思います。この1曲のために、このアルバムを買っても損はしません。

また、アップテンポの"It's You Or No One"や"The Way You Look Tonight"では、トランペットのDonald Byrdとともに、「これぞハード・バップ!」という切れの良いみずみずしいプレイを披露しています。
"Blue Doll"はマクリーン作曲のスロー・ブルースで、ソニー・クラークの名盤、"Cool Struttin'"における演奏の原点はここにあり、という好演です。ちなみにDollというのはマクリーンの奥さん、Dollyのことだそうです。
マクリーン、家族思いだったようで、奥さんだけでなくお嬢さんにも"Little Melonae"を書いています。これは当時としては結構新鮮な響きの曲だと思います。

ジャッキー・マクリーン、演奏技術では決して一流とは言えないかも知れません。リードコントロールが下手クソでミス・トーンも多いし、音程を外すのはしょっちゅうです。でも、ちょっと舌足らずで甘くてハスキーな音色、そしてと憂いを含んだ歌いっぷりは、まさしくOne And Onlyです。

「音程は外しても、リスナーの期待は外さないのがマクリーン」ということを言った方がいました。まさしく言いえて妙な表現だと思います。^^この初リーダー・アルバム、そんなジャッキー・マクリーンの魅力がいっぱい詰まった一枚だと思います。

1955年10月21日録音
Jackie McLean (as)
Donald Byrd (tp)
Mal Waldron (p)
Doug Watkins (b)
Ronald Tucker (ds)
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by bluenob | 2008-07-21 21:54 | Alto Sax
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