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Keith Jarrett "The Melody at Night, With You"
b0160275_19405112.jpgキース・ジャレットのソロ・アルバムです。

キースのソロというと、ケルン・コンサートのイメージが強いですが、このアルバムはスタンダードばかり集めた作品集になってます。慢性疲労症候群で活動を休止していたキース・ジャレットが、1998年に自宅で録音した珠玉のようなアルバムです。

ケルン・コンサートのような力強さはないですが、スローなテンポのバラードをいつくしむように奏でるこのアルバム、心が疲れたときには本当に癒されます。しかも、病気療養中のためなのか、キースのうなり声もほとんど聞こえません。

どの曲も、元メロディーをいかして余分な音をそぎ落とした素晴らしい演奏になってます。寂しくてせつない演奏といえばそうかもしれませんが、心の中にじんわりとしみこんでくるこのアルバム、すべての演奏がこよなくいとしいです。

強いてあげるとすると、"Someone To Watch Over Me", "Be My Love", "Shenandoah"が特に泣けます。

うーん、このアルバムを聴いていると、ごちゃごちゃ書く気がしなくなってしまう。^^
キースのピアノを敬遠していた人も、ぜひこれだけは聴いて欲しいアルバムです。最高のJAZZをやっています。

純度の高い優しい音に囲まれて、時が流れるままに静謐の中に身をゆだねる・・・。そんなアルバム、秋の夜長にどうぞお聞きください。

なお、HMVのサイトで試聴ができます。

1998年録音
Keith Jarrett (p)
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# by bluenob | 2008-11-03 20:11
Mccoy Tyner "The Real Mccoy"
b0160275_20263368.jpg史上最強の瞑想宗教系&体育会系JAZZコンボ、ジョン・コルトレーン・カルテットのピアニスト、マッコイ・タイナーの代表的リーダー作です。

1960年代中期にコルトレーン・カルテットを支えたマッコイですが、トレーンのフリー・ジャズへの傾斜が高まるに連れてついていけなくなり、1965年11月録音の"Mediation"を最後にトレーンと袂を分かつことになってしまいました。まあアセンションなどで聴かれるマッコイ、確かに嫌々やってる、って感じがしないでもありませんでしたから。

その翌年である1966年は、スタンリー・タレンタインやドナルド・バードと言った、よりアーシーでファンキー系のミュージシャンと付き合いが多かったようです。トレーンの"Assencion"などのフリージャズで神経が参っていた反動なのかもしれません。まあ、私の憶測です。^^

1967年になって、マッコイはブルーノートと契約しました。ファンキー系ミュージシャンたちとのセッションでリハビリを完了した(^^;)マッコイは、コルトレーン・カルテットを通じて得たものの総決算として、このアルバムを録音することになりました。

「これこそ、俺のやりたい音楽だ、本当の俺"The Real Mccoy"を聴いてくれ!」という気合で作られたこのアルバム、素晴らしい出来栄えです。
ちなみに、"He is The Real Mccoy"というと「あいつはホンモノだぜ!」って意味になります。研究社の新英和中辞典をひくと、こんな感じです。「[the real 〜 で] 《口語》 (高品質の)本物,逸品; (亜流でない)本物の人,正真正銘の人.」
ブルーノートも、マッコイを売り出すために、なかなか洒落たタイトルを考えたもんだと思います。

このアルバム、同じくコルトレーン・カルテットを退いたエルヴィン・ジョーンズがドラムです。ベースは当時マイルス・コンボのベーシストだったロン・カーター、そしてテナー・サックスは破壊力十分のジョー・ヘンダーソンです。凄いメンバーです。

これにマッコイが加わると、「コルトレーン・カルテットがフリーにいかなかったらどうなってたか?」というパラレル・ワールド的な音楽になってきます。^^
すなわち、フリーではない、ストレート・アヘッドなジャズの最高進化系の音が出てくるのです。
1968年になると、JAZZは電化されていきますが、この1967年という年は、電化される前の最高のJAZZがたくさん録音された年だと思います。マイルス・デイヴィスの"Nefertiti"もこの年の録音です。

第1曲目の"Passion Dance"、ジョーヘンとマッコイのユニゾンで奏される力強いテーマがそもそもかっこいいです。続くマッコイのソロも素晴らしい。強力な左手による低弦パンチ、右手のアウト・スケールするシングル・トーン、それこそ「道端に落ちていてもわかるぐらい明白な」、マッコイの音です。
またジョーヘンのソロも、コルトレーンを基本にしてオーバー・トーンや変え指による音色調整も加え、強力にドライブします。
また、ロン・カーターのベース・ラインも、エルヴィンのシンバル・レガートも、強力にフロントをプッシュします。
曲全体を通じて、「フリーじゃなくたってクリエイティブなJAZZはできるんだぜ!」というすがすがしくなるぐらい旗色鮮明な主張が伝わってきます。

2曲目の "Contemplation"、スロー・テンポで瞑想的な雰囲気の曲ですが、テーマ後のジョーヘンのアドリブも熱いこと熱いこと。^^マッコイも音数は多いですが、決して軽薄にならない迫力満点のソロです。また、バックのエルヴィンのドラムス、何度聴いてもすごいわ、って感じです。

"Four by Five"は、ジョーヘンの作りそうな感じのリフで始まるアップテンポのナンバーです。ジョーヘンのフラジオを交えたソロ、この時代から現代に至るまで、定番となったテナー・ソロだと思います。マッコイの強力な左手がここでも冴え渡っています。地味ですが、ロン・カーターの4ビート・ランニングもモダンです。

4曲目の"Search for Peace"は、コルトレーン・スタイルによるバラードです。とは言うものの、ジョーヘンの資質がトレーンべったりではないので、よりアーシーな雰囲気感じさせる音のバラードになっています。

5曲めの"Blues on the Corner"、このリフもジョーヘンの"Isotope"を思わせるユーモラスでかっこいいブルースになっています。マッコイのソロも、ジョーヘンのソロも、モーダル・ブルースの定番的表現です。

このリアル・マッコイで演奏されているJAZZ、通称「体育会系JAZZ」です。昨今の「お洒落な」JAZZブームでファンになった方々とっては刺激が強すぎるかもしれませんが、私はこの汗をかいて疾走するJAZZ、いまだに大好きです。

1967年4月21日録音
Joe Henderson (ts)
McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b)
Elvin Jones (d)
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# by bluenob | 2008-11-01 21:40 | Piano
Wayne Shorter "Juju"
b0160275_21555051.jpg新主流派を代表するテナー・マンのひとり、ウェイン・ショーターのワン・ホーン・アルバムです。

新主流派のテナー吹きの中では、なんと言っても私はジョー・ヘンダーソンが好きなんですが、ジョーヘンを引き立たせていたのは、ウェイン・ショーターの存在ではなかったでしょうか。

伝統的なスタイルを引きずった野生児ジョーヘンと、とらえどころのない黒魔術師ショーター。スタンダードもばりばり吹くジョーヘンと、オリジナルしかやらないショーター。格好なんておかまいなしに真っ赤に燃えるジョーヘンと、青白い炎の中で静かに燃えるスタイリスト・ショーター。比喩が変ですが、ゴジラvsモスラ、中日ドラゴンズvs読売ジャイアンツみたいな、宿命のライバルとしてとらえていました。^^
若い頃は、ジョーヘンを聴いて暑苦しくなると、ショーターを聴いてクール・ダウンする、みたいなことの繰り返しばかりやっていました。

ウェイン・ショーター、Vee-Jayでデビューした頃は、コルトレーンそっくりなトーンとフレージングのハード・バッパーでしたが、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに入った頃から徐々にミステリアスな雰囲気に変わって行き、その後、マイルス・デイヴィスのコンボに参加した頃にはワン・アンド・オンリーなテナー・マンに成長しました。

このアルバムは、ジャズ・メッセンジャーズを離れ、マイルス・コンボに入る直前のショーターを捉えています。
ブルーノートでの初リーダー作"Night Dreamer"を聴くと、フロントの相方リー・モーガンの存在ゆえに、ジャズ・メッセンジャーズ的なハード・バップのエコーが濃厚です。でも、第2作目のこの"Juju"になると、より新主流派的な音に変わってきています。

ワン・ホーンゆえに、ショーター自身がやりたかった音楽がストレートに出てきているというのもありますが、サイドメンの影響もありそうです。マッコイ・タイナー(p)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)は当時のコルトレーン・カルテットのレギュラー・メンバー、そしてレジー・ワークマン(b)もコルトレーンゆかりのベーシストです。

にもかかわらず、このアルバムでのショーターは、コルトレーンの亜流には全くなっていないあたりが、さすがです。
1964年の9月に、コルトレーンは"A Love Supreme"を吹き込み、より宗教的な深みへと進んでいきますが、ショーターにはそういう宗教的な臭みはなく、それまでになかったフレッシュな楽想の演奏を繰り広げています。
マッコイもエルヴィンも、その個性をいかんなく発揮していますが、コルトレーン・コンボでやっている彼らとは異質の音です。ショーターのリーダーとしての影響がよくわかります。

1曲目の"Juju"、黒魔術的なタイトルがついていますが、マイルス・バンド参加以降のショーターに比べると、わかりやすいモーダルな曲です。ここでのショーター、クールに燃えたブロウを披露しており、実にかっこいいです。

2曲目の"Deluge"、コルトレーン的な影響の濃い曲想ですが、ショーターのソロはペンタトニック・スケールを基調としながらも、彼ならでは音の選び方がユニークです。マッコイのソロになると、コルトレーン・カルテットそのまま、って感じですが。^^

"House of Jade"は直訳すれば、「翡翠の館」でしょうか。タイトルの東洋的なイメージではなく、チャーリー・ミンガスを思わせる黒褐色のグラデーションといいますか、不思議な音の響きのバラードです。ショーターのソロも、瞑想的です。

4曲目の"Mahjong"は、「麻雀」ですね。ジョーヘンにも"Jinrikisha"という変なタイトルだけど魅力的なオリジナルがありますが、これも和風のタイトルにもかかわらず、演奏そのものはまじめです。このアルバムで一番コルトレーンを感じさせる演奏ですが、ショーターのソロはよりクールに燃え上がります。

5曲目の"Yes or No"はアップテンポな曲で、アトランティック時代のコルトレーンを思わせます。バリバリと吹きまくるショーター、しかしトレーンとは全く違う傾向のソロです。クールだけど熱い、燃えてるけど冷静。ショーターならではのソロです。

このアルバムの最後は、"Twelve More Bars to Go"、そのタイトルからもわかるように、ブルースの新解釈です。新主流派のブルースって、かっこいいのが多いです。ジョーヘンの"Isotope"とか、チック・コリアの"Matrix"とか。ショーターのこのブルースもモダンな感覚に溢れたブルースに仕上がっています。

このアルバムを8月に録音した後、、9月にはマイルス・デイヴィスのコンボでのデビュー作、"Live In Berlin"を録音します。マイルスがショーターを引っ張った理由は、このアルバム、"Juju"を聴くと本当によくわかります。前任テナーのジョージ・コールマンやサム・リバースと比べて、明らかにショーターの音は「鮮度がいい」のです。

1964年8月3日録音
Wayne Shorter (ts)
McCoy Tyner (p)
Reggie Workman (b)
Elvin Jones (d)
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# by bluenob | 2008-10-30 23:26 | Tenor Sax
Hank Jones "'Round Midnight"
b0160275_20273728.jpg秋の夜長には、こんなけれんみのないソロ・ピアノがよく似合います。ピアノの職人、ハンク・ジョーンズが2004年2月に録音したアルバムです。

ハンク・ジョーンズは1918年生まれですから、86歳の時のレコーディングです。しかし年を感じさせない実に瑞々しいピアノソロで、心底驚きました。この人に関しては老化、という言葉は無縁なのかもしれません。今年(2008年)にも来日してますから、90歳を超えて現役ということになります。

ハンク・ジョーンズの演奏歴は古く、チャーリー・パーカーとも一緒に演奏しています。バードと一緒にやったことのある人でまだ存命中なのは、ドラムスのロイ・ヘインズぐらいではないでしょうか。しかも生きているだけではなく、いまだにこんな素晴らしい音楽を演奏しているわけですから、脱帽モノです。

ハンク・ジョーンズ、脇役としての演奏が実に渋くてたまりませんでした。とにかく汚い音を弾かないのです。バードの"Now's The Time"、ミルト・ジャクソンの"Opus De Jazz"、ポール・チェンバースの"Bass On Top"、キャノンボール・アダリーの"Somethin' Else"で、その好演を聞くことができます。どれも主役を上手に引き立てています。

また、自らが主役となっては、グレート・ジャズ・トリオで素晴らしい演奏を聴かせてくれました。マイルス・デイビスのバンドに在籍していたロン・カーターやトニー・ウィリアムスとの組合せ、「こりゃあ異種格闘技だなあ・・・」なんて思ったものですが、ハンク・ジョーンズは若い彼らに負けない若々しい感覚で丁々発止のプレーを聴かせてくれ、大いに驚いたものです。

さて、このアルバム、全編有名スタンダード曲のソロです。ハンク・ジョーンズの端正で上品なピアノを楽しむには絶好の名盤です。ハンク・ジョーンズは1000曲以上のスタンダード・ナンバーを暗譜しているそうです。JAZZのスタンダード曲集で俗称「1001」という譜面がありますが、彼の場合、「生きている1001」ということができそうです。

1曲目の"My Romance"の音が出てきたとき、思わず耳を疑いました。86歳のおじいさんが弾いてるとは思えないフレッシュな音だったからです。この曲は、ビル・エバンスの"Waltz For Debby"での演奏が定番ですが、ハンク・ジョーンズの演奏もビル・エバンスに勝るとも劣らない素晴らしい演奏です。時々ハンクのうなり声がうすく聞こえますが、キース・ジャレットのそれに比べると実にかわいいもので、より音楽的です。^^

"Someday My Prince Will Come"もビル・エバンスのレパートリーですが、ハンク・ジョーンズが弾くと、甘い中にもより枯れた味わいで、これもたまりません。

またバードの愛奏曲だった"Bird Of Paradise"がそのコード進行を使ったことで有名なスタンダード、"All The Things You Are"も素晴らしい出来栄えです。この曲特有のせつなくなるような転調が実に丁寧にメロディックに演奏されています。

セロニアス・モンクの"'Round Midnight"、ソロ・ピアノならではの緩急自在なテンポでしっとりと聴かせてくれます。

"It's A Sin To Tell A Lie"も名演です。甘いコード進行の曲ですが、あえてテンション・ノートを上手に使い、ビター・スイートな演奏になってます。

このアルバムの最後は、デューク・エリントンの名曲、"In A Sentimental Mood"です。メランコリックかつダイナミックなソロが絶品です。

この他にも、"Someone To Watch Over Me", "It's The Talk Of The Town", "Willow Weep For Me", "The Day Of Wine And Roses", "Speak Low", "Tea For Two", "For Yoy"が収録されており、どれをとってもハンク・ジョーンズならではの解釈で、魅力的ななスタンダード演奏になっています。

弟のサッド・ジョーンズ、エルヴィン・ジョーンズはすでに他界してしまいましたが、一番年長なハンク・ジョーンズにはずっと長生きして、素晴らしいアルバムを残していって欲しいものだと思います。

なお、このアルバムは、HMVのウェブサイトで試聴できます。

2006年2月4日&5日録音
Hank Jones (p)
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# by bluenob | 2008-10-29 20:27 | Piano
Sonny Clark "Cool Struttin'"
b0160275_20304281.jpg秋が深まってくると、必ず聴きたくなるアルバム、「クール・ストラッティン」です。J
AZZを聴き始めた頃から好きなアルバムで、それこそ溝が擦り切れるまで聴いたアルバムです。
フレーズのひとつひとつまでカラオケで歌えるぐらい聴きましたから、ええ加減聴き飽きててもおかしくないのですが、それでも秋から冬にかけて、ちょっと首筋が寒くなってきたなあ、という季節になると、「今宵はクール・ストラッティンを聴きながら一杯やるか・・・」と思ってしまいます。^^

このアルバムは、お薬のやりすぎで31歳という若さで夭折したピアニスト、ソニー・クラークの代表作です。ブルージーでタッチの重い、「これぞJAZZピアノ!」というピアニストでした。
トミー・フラナガン、レッド・ガーランド、ウィントン・ケリーというこの時代の花形ピアニストたちは、よく「転がるようなシングル・トーンの魅力」と言われることが多いですが、クラークのピアノは、もっとタメの効いた、ダークなトーンが魅力です。数多い「バド・パウエル・スクール」のピアニストの中でも、バドの妖し輝く黒いタッチを最も濃厚に継承したピアニストではないでしょうか。

また、このアルバムは、サイドメンも素晴らしい面子が集まっています。フロントにアート・ファーマー(tp)とジャッキー・マクリーン(as)、そしてベースにポールチェンバース、ドラムスがフィリー・ジョー・ジョーンズです。加えてパウエル直系のソニー・クラークがリーダーですから、どうやったってグルーヴィなアルバムしかできっこありません。^^

また、リード・マイルスがデザインしたジャケットも出色の出来栄えです。タイト・スカートから覗くこましゃくれた足取り、足フェチの人が見たら思わずクラッとなりそうなデザインで、ブルーノートのアルバムらしいジャジーな雰囲気に溢れています。いつか、誰かに「足タレ」になってもらって、こんな写真を撮ってみたいなあ。^^ちなみに、このアルバム写真の足タレ、ソニー・クラークの奥さんだ、という説と、デザイナーのリード・マイルスのアシスタントだ、という説があるようです。

LPで言うと、かつてのA面が大好きでした。2曲ともクラークのオリジナル作品です。スロー・ブルース"Cool Struttin'"、ブルースのエッセンスの詰まった好演です。ソニー・クラークの重く引きずるようなタッチと黒光りする音色、アート・ファーマーのクールで知的なソロ、マクリーンのイモイモしくもブルージーなフレーズと後ろに倒れこむようなレイドバックした感覚、チェンバースの濃厚なアルコ弾きソロ、どれも大好きです。

2曲目の"Blue Minor"は、私がこのアルバムで一番好きな演奏です。アルト・サックスとトランペットのアンサンブルは、テナーとペットのアンサンブルより一段と憂いに満ちたフィーリングになるような気がします。マクリーンの舌足らずなソロが「青春の痛み」という感じで実にいいです。クラークのパウエル・ライクな黒くてドライなソロも素晴らしいです。

かつてのB面は、マイルスの"Sippin' At Bells"です。どってことないハード・バップですが、クラークのソロが実にグルーヴィで良い味を出してます。

4曲目の"Deep Night"、テーマからピアノ・ソロまでは、ピアノ・トリオだけの演奏を聴くことができます。このトリオ・フォーマットで聴くと、バド・パウエルをモダンにしてファンキーにしたクラークの良さがよく出ているように思います。
その後に出てくるアート・ファーマーのソロも大好きです。マイルス・デイヴィスほどクールではなく、ドナルド・バードほど暑苦しくなく、中庸の魅力です。
またマクリーンのソロも、ハスキーなトーンでブルージーに歌いまくっており、ピッチが少々狂っていても気になりません。
フィリー・ジョー・ジョーンズのタイトで黒く締まったソロが終わり、ピアノ・トリオでのテーマが演奏されてアルバムの幕を閉じると、また頭から聴きたくなってしまいます。

このアルバムは、かつてのJAZZ喫茶で一番リクエストが多かった名盤だそうです。でも、そんなに人気があるのは日本だけのようです。夭折したミュージシャンを尊ぶ風土もありますし、このアルバムに流れるファンキーだけどブルーな雰囲気が、日本人の感性をいたく刺激するからかもしれません。

でも名盤かとあらためて聞かれると・・・。うーん、どうなんでしょう。演奏自体はもっと優れたアルバムはいっぱいありますから。
でも、このアルバムは「良い・悪い」を超越したところにあるアルバムではないか、と思います。判断基準は、「好き・嫌い」でいいんじゃないでしょうか。人がなんと言おうと、このスモーキーな雰囲気は大好きなんだもん、って感じです。あはははは。^^

JAZZ喫茶で、「クール・ストラッティン、お願いします。」というリクエストが入ると、「おー、JAZZを効き始めたばかりのトーシロだな、こりゃ・・・」と思うくせに、その一方、「早くかけてくれよ、クール・ストラッティン。」と、心待ちにしている自分もいたりする、そんなアルバムです。^^

1958年1月5日録音
Art Farmer (tp)
Jackie McLean (as)
Sonny Clark (p)
Paul Chambers (b)
Philly Joe Jones (ds)
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# by bluenob | 2008-10-28 21:27 | Piano